題目 | 放射線計測部門取組成果概要 (8分) |
発表者 | 福島県環境創造センター 井上 広海 |
福島県放射線計測グループの研究について | 電解濃縮装置を使用したトリチウム分析の試み | 仮置場における迅速放射線分布可視化技術の現場適用 | 森林から渓流魚に至るセシウムの移行経路 |
海産物に含まれる有機結合型トリチウム(OBT)の迅速分析手法の開発 | 放射性ヨウ素の吸引による初期被ばく線量の再評価 |
放射線計測部門では、「分析・測定技術の開発」を「被ばく線量の評価手法・モデル開発」の2区分で、三機関連携の下研究を進めている。
「分析・測定技術の開発」では、ICP-MSを用いて、ストロンチウム90を短時間で分析可能とした。また、βγ弁別用プラスチックシンチレーションファイバーについては、令和2年1月31日より、東京電力が運用を開始した。
今後は、被ばく線量の評価等に資する正確な情報を住民等へ提供するため、検出限界値の低減化を目指し、国内外の信頼できる分析機関と定期的に相互比較分析等を実施して、分析結果の信頼性を担保することが必要である。
「被ばく線量の評価手法・モデル開発」では、福島県全域における事故当初からの空間線量率の推移を示す経時変化マップを作成し公表した。また、自家採取食物である山菜等について、「茹で」により、セシウム137を60%程度に低減できることを確認した。
今後は、住民等に対して、被ばく線量評価等に資する正確な情報を提供するため、開発したモデルの高度化・精度向上に努めることが必要である。