研究活動に興味関心がある県内の高校生が、気軽に研究の場に触れられるよう、環境創造センターならではの研究体験を提供し、高校生の科学への興味の喚起や今後の福島県の環境回復・創造を担う人材の育成のため、福島県、日本原子力研究開発機構及び国立環境研究所の三機関が連携して実施しています。
開催日 | 参加校 |
令和6年7月6日(土) | 福島県立安積高等学校 SSHクラス2年生 |
令和6年7月26日(金) |
福島県立会津学鳳高等学校 SSコース 1年生 |
令和6年8月1日(木) 2日(金) |
福島県立福島高等学校 スーパーサイエンス部 1年生 |
<実施内容>
①三次元蛍光分光光度計を用いた河川水等の分析
三次元蛍光分光光度計を使用して河川等に含まれる有機物の成分や蛍光物質の含有量を推測する分析を行い、成分の同定等の解析をしました。
②液体シンチレーションカウンタを用いた放射性物質の分析
液体シンチレーションカウンタを用いて、各班が濃度を調製したトリチウム試料を測定しました。また、測定原理を学び、得られたデータから濃度計算を行い、計算値と設定濃度の違いについて考察を行いました。
③赤外分光分析装置を用いたプラスチックの劣化状況の分析
化合物の構造を分析することができる赤外分光分析装置(FT-IR)を用いて、未使用品と現場で7年間使用した除去土壌保管容器の劣化の度合いや化学構造の変化について考察しました。
また、電子顕微鏡を使用して除去土壌保管容器の表面について観察を行いました。
④環境調査に関する調査分析体験
実際の解体等工事における環境調査で行われている光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いたアスベストの観察及び同定を行いました。また、悪臭公害を調査する三点比較式臭袋法の標準試薬による嗅覚検査や模擬試料による判定試験を体験しました。
⑤放射線調査に関する調査分析体験
大気中に浮遊する放射性セシウムの採取、採取した試料の処理・測定方法を学び、実データを用いて放射線核種の同定を行いました。また、センター周辺において、空間線量率を測定し、マップを作成しました。
⑥水蒸気蒸留法による福島県産の木等からのアロマオイルの抽出
福島県産の木材などを水蒸気を利用して成分を分離する蒸留法によりアロマオイルを抽出し、成分を分光光度計やTOF-SIMSなどの測定機器を用いて分析しました。また、抽出における効率的な方法について検討を行いました。
⑦環境に関するデータサイエンス
データ整理やプログラミング言語「R」を用いた解析方法を学び、福島県内のオープンデータを用いて解析を行いました。