県内の帰還困難区域を除く面的除染は平成30年3月に終了しましたが、放射線に対する不安の声が県民からあげられています。県民の不安の声を軽減するため、除染を実施した公共施設等を対象とした空間線量率の調査を実施しています。また、除染作業等で発生した除去土壌等を補完する仮置場では、長期化する保管、搬出後に行う原状回復作業の実施等の課題があげられています。これら技術的な課題を解消するため、仮置場で使われている資材を対象とした試験や、実際の仮置場跡地を対象とした実証試験等を実施しています。
除染を実施した市町村の公共施設を対象として、空間線量率の測定を実施し、除染の効果が持続しているかを確認しています。また、今後の空間線量率を予測し、測定結果と比較を行っています。 |
結果、除染後の効果が持続していることが確認できています。また、測定結果が予測結果と同程度であることを確認しています。 |
河川敷を対象として除染試験を実施し、その後の空間線量率、河川水や堆積物中の放射性物質の濃度を定期的に測定し、試験の効果が持続しているかを確認しています。 |
結果、実証試験の後7年にわたり、空間線量率は低下傾向を示しました。また、三度の台風の後に堆積した土砂の放射性セシウム濃度は低く、再汚染は認られませんでした。 |
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実際の仮置場現地において保管されている保管容器を対象として、何度も吊り上げたり、吊り下したり、地面に落下させる試験を実施して、輸送に十分な強度を保っているかを確認しています。 |
結果、6年間遮光保管された保管容器は、輸送に十分な強度を保っていることが確認されました。 |
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実際の仮置場で保管されていた保管容器の生地やベルトを対象として、引っ張る試験を実施し、輸送に十分な強度を保っているかを確認しています。 |
結果、7年程度遮光保管されていた保管容器は、十分な強度を保持していることが確認されました。 |
実際の仮置場で保管されていた保管容器の生地等を対象として、電子顕微鏡を用いた表面の観察や各種分析装置を用いて分析を行い、容器の劣化の要因を確認しています。 |
結果、実際の現場で日光暴露された大型土のうに小さな傷が多数確認されました。また、結晶構造の評価をすることで、資材の劣化状況を評価・予測できる可能性が示唆されました。 |
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搬出後の仮置場跡地を対象として、空間線量率等の測定を実施し、跡地に汚染がないことを確認しています。また、土壌硬度の調査を実施し、跡地の土が重機の走行や保管物を置いていたことによる締固まりが発生しているかを確認しています。 |
仮置場跡地に汚染が無いことが確認されました。また、重機の走行や保管物を置いていたことにより、跡地の土に締固まりの可能性が確認されました。 |
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実際の仮置場跡地を畑地へと復旧し、現地で空間線量率の測定や実際に作物を育てたり、現地からの土の流出を確認し、畑地へ復旧する場合の技術的課題や効果的な作業方法を検討しています。 | 結果、現地の空間線量率に変化が無いことや、より深く耕すことで、降雨による土壌侵食を抑制できることを確認しました。また、仮置場で使用されていた遮へい土(山砂)を用いても、作物の生育自体は十分可能であることを確認しました。 |