ふくしまナラティブ・スコラ2021とは?
「ナラティブ」は聞き手に想いを伝える話術、特に一人ひとりが主体となって語る表現技術のことを指します。
「スコラ」とは、「学問の技法」や「思考の過程」を意味する言葉です。
ふくしまナラティブ・スコラ2021では福島県内の高校生がメンバーとなって、情報や想いを伝える技法を学んだり、さまざまな経験を持つゲストと交流したりする中で「自分の伝えたいこと」について探究。
決められたあらすじを伝えるのではなく、一人ひとりがそれぞれの視点で語るべきことを構築する「ナラティブ型」のプレゼンスキルを習得します。
そして2022年1月9日、最終回には舞台で実際のプレゼンテーションを行う「ふくしまの高校生が伝えるナラティブプレゼンテーション」が開催されました。
講師
Instructor
前田鎌利/まえだかまり
▶ プレゼンテーションクリエイター / 株式会社固 代表取締役 / 書家
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信、ジェイフォン、ボーダフォン、ソフトバンクモバイルと17年にわたり移動通信事業に携わる。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、初年度第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫社長のプレゼン資料づくりも担当。その後、ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍。2018年12月、一般社団法人プレゼンテーション協会を設立、代表理事に就任。ふくしまナラティブ・スコラ2020講師。
ふくしまの高校生が伝える
ナラティブ・プレゼンテーション
2021年6月にスタートした「ふくしまナラティブ・スコラ2021」。このワークショップに参加した県内の高校生は約半年間をかけて、プレゼンスキルを学びながら「私」と「ふくしま」をつないだところ、その<線分AB>に向き合ってきました。「ふくしまの高校生が伝える ナラティブ・プレゼンテーション」では高校生が一人ずつステージに立ち、東日本大震災からこれまでに経験したこと、学んだこと、悩んだことに触れながら「自分だけが伝えられる物語」を語ります。高校生が等身大の言葉で語るそれぞれのストーリーに耳を傾けてください。
- 第1部 No.01 大原 日和 Hiyori Ohara 11年間のふくしまの歩みと自分自身の学びを重ね合わせ、未来をつくるためのアクションを呈示します。
- 第1部 No.02 堀江 美音 Mio Horie ふくしまへの真っ直ぐな愛を、世界中に届け広げるには?彼女には具体的なビジョンがあるようです。
- 第1部 No.03 小山 美樹 Miki Koyama すでに形づくられているもの、これから形にしていくもの。未来に残したいふくしまの姿に思いを馳せます。
- 第1部 No.04 有我 昭洋 Akihiro Ariga 理科部で培った科学的視点でデータを紹介しながら、ふるさとの魅力を力強く発信していきます。
- 第1部 No.05 深谷 美波 Minami Fukaya 生まれ育ったまちや家族が残した記録をひもとき、年月を超えて大切にしたいことを振り返ります。
- 第1部 No.06 渡邉 綾香 Ayaka Watanabe 有事のときも、毎日の生活も、みんなが暮らしやすい世の中へ。自身の夢とリンクさせて思いを語ります。
- 第1部 No.07 髙橋 真奈美 Manami Takahashi 県内に暮らす人にこそ伝えたい!誰でもできる「ふくしまの魅力のアップデート方法」を紹介します。
- 第1部 No.08 鶴田 実里 Misato Tsuruta 震災以降、子どもだからこそ抱いてきた違和感と向き合い、新たな対話の場づくりを提案します。
- 第1部 No.09 菊池 海音 Mion Kikuchi 憧れの存在が、復興のために起こしたアクション。その本質に触れながら自身の描く夢について語ります。
- 第1部 No.10 愛澤 美優 Miyu Aizawa 自分に自信を持てなかった彼女が、「私にとってのふくしま」を探り続けた200日間の思いを綴ります。
- 第2部 No.01 玉井 香菜 Kana Tamai 震災での経験を生かして、未来を変えるかもしれない魔法のような技法の可能性を呈示します。
- 第2部 No.02 渡部 凛美 Rimi Watanabe 飯舘村にルーツをもつ彼女。「までい」な暮らしを目指す村から学んだアクションを発信します。
- 第2部 No.03 加藤 優佳 Yuuka Kato 経験の異なる人々同士で、これからどうやって復興を進めていくか?彼女の考える答えを示します。
- 第2部 No.04 佐藤 菜々香 Nanaka Sato 震災を通して「心が成長した」という自分自身を見つめ直し、困難に向き合うための方法を語ります。
- 第2部 No.05 渡邉 もも Momo Watanabe 他人事から自分事へ。楽しみながら関心を持ってもらうためのアイデアを、ステージで実践します。
- 第2部 No.06 木幡 空 Sora Kohata 軽妙な語り口で紡がれるのは、自身が実感した災害時の心構え。防災の考え方の転換を提案します。
- 第2部 No.07 半谷 莉子 Riko Hangai 苦しむ人を救うのはほんの小さなアクションかもしれない。自らの体験から得た気づきを語ります。
- 第2部 No.08 野木 萌梨 Moeri Nogi 目の前にいるのは「ふくしまのこども」?抱え続けた葛藤と未来へのまなざしを言葉に託します。
- 第2部 No.09 浦山 夏美 Natsumi Urayama 小学生の頃の体験、中通りから双葉郡へ進学しての学び。経験の全てを糧に、大人へ呼びかけます。
- 第2部 No.10 佐久間 和佳 Nodoka Sakuma 傷ついた心に寄り添う音楽の力を通して、震災後の「一人ひとりの物語」への思いを紡ぎます。
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トークセッション
Talk session
高校生たちのプレゼンテーションに先立ち、昨年「ふくしまナラティブ・スコラ2020」に参加した高校生と、
内堀雅雄福島県知事、前田講師によるトークセッションが行われました。
当日の様子
Feature
参加者の声
Participants Opinions
「ふくしまナラティブ・スコラ2021」
のワークショップの中で、
最も印象に残っていることや
「体験できてよかった」と
思うことはなんですか?
県内出身で県外で働いている人や、県内でいろいろな活動をしている人、県外出身で県内で働いている人のリアルなお話を聞けたことです。
普段通りの生活をしていれば関わることのなかった方々とたくさん関われて、同世代で他の学校の方々と楽しく過ごせてよかったなと思いました。
様々な経験を持つゲストの方々のお話を聞けたこと。人の前に立って自分の考えを話すこと。
全てのプログラムにおいてよかったなと感じています。ふくしまについて知ったつもりであったことや、出来るつもりだったことに気が付くことができたのでよかったなと思いました。
人前で話す経験がたくさんできたことです。私は人前で話すことがとても苦手でしたが、ナラティブの方々はみんな真面目に聞いて下さるので少し自信になりました。
普段交流のない人たちと交流できたことで今まで聞けなかった話を聞くことができた。
「ふくしまナラティブ・スコラ2020」に
関する活動を通して、受講前と比べて
「変わった、成長した」と思うことを
教えて下さい。
今回の「ふくしまと私」という大きなテーマの中で一人一人のプレゼンがこんなに違うものなのかととても思いました。そんな皆の感覚を自分の中に取り入れられた気がするのでその点が成長できたと思う。
前まではすぐに諦めてしまっていたことでも最後まで頑張ろうと思えるようになった。震災や原発事故についての動画や資料を見聞きするようになった。
私自身「ふくしま」と向き合うことが今までなかったけれど、ナラティブ・スコラを通して、改めて「ふくしま」と真剣に向き合って、今よりもっとよい社会になるためにはどうしたらよいか、視野を広くもつことができるようになったと思います。
ふくしまを表面的にしか見れていなかったが、いろんな視点を持つ人からお話を聞くことによって、いろんな福島を見ることができました。
スライドつくりに自信が持てるようになりました。スライドを作るのは楽しくて好きです。また、以前より福島県が自分の地元であるという意識が芽生えました。
人の前で話す能力がこれまでよりも上がったと思います。ナラティブ・スコラで人前で話すことがあったので、これが自分の中で変わったところだと思います。
その他、メッセージや
感想をお願いします!
自分は人見知りであまり他の人と話せなかったのですが、グループワークなどでいろいろな人と話したり、考えたりできたことが印象的だった。
半年間、多くの体験ができて本当に良かったです。ナラティブに参加できたのは、貴重な経験になりました。今まで本当にありがとうございました。最高のステージにすることができました。
半年間、学ぶことを多く学んで、その分仲間と支え合ったり、笑顔でいることができました。何もかもが、自分の強みとなっています。
半年間ありがとうございました。最高の経験でした。
講師の先生や事務局の方々、この半年間本当にありがとうございました。この経験を生かしていきたいです。
講座が本当に自分の糧になったし、いい友達もたくさんできたのでいい経験になりました。鎌利さんをはじめ協力してくださった大人の方々、そして一緒に頑張ってきた参加者のみんな本当にありがとうございました。