原子力発電所事故から長期間が経過し、自然減衰、除染活動等の結果、生活圏における人工放射性核種の濃度は大きく減少しています。しかし、帰還困難区域のように未だ空間線量率の高い地域や、森林等のように技術的な課題等で十分にモニタリングがなされていない地域があります。また、原子力発電所事故による影響の把握、汚染水の処理、廃炉に関わる作業等が周辺環境に与える影響の把握及び放射性物質の環境動態の詳細なメカニズムの解明が課題となっています。これらの解決に必要な分析・測定手法の開発、簡易・迅速化等に取り組む必要があります。
低濃度トリチウム及び有機結合型トリチウムの分析法等について、環境動態研究や環境モニタリングでの活用を念頭に、他機関との相互比較分析、分析の精度確認・向上、及び簡易化・迅速化等の改良を行っています。 |
約3週間かけて約1,000 mLの試料を約15 mLまで濃縮することにより、検出限界値を従来法(濃縮なし・100 mLバイアル)より一桁程度低い0.031 Bq/Lにすることができました。 |
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リュックサックを背負って歩くだけで誰でも 簡単に放射線マップが作れる「歩行サーベイ」 測定器を県内の市町村や住民の方に無料で貸し 出ししています。 |
・公園、住居周辺等の面的な空間線量率測定 ・通学路、河川敷等に沿った空間線量率測定 ・仮置場の原状回復時の跡地汚染有無の確認 などに活用できます。 |
ドローンを利用して、人が入れない場所等の空間線量率を測定する研究を行っています。 |
ドローンによる測定結果を地上1mの値に換算するために必要なデータが得られました。 |
膨大なモニタリング結果を、県民にわかりやすく、関係者が利用しやすい環境を提供するため、視覚的に把握しやすい線量分布マップの作成などわかりやすい情報発信手法を検討しています。 被ばく線量に関する事故の影響やその後の推移等についての評価に資するためのデータベースを構築するなど、環境放射能モニタリング結果の評価・活用方法に関する研究を行っています。 |
福島県全域を対象として、事故直後から令和2年12月までの統合化マップ及び経時変化マップを作成しました。妥当性評価を行った結果、経時変化解析結果と実際の測定結果は良い相関が見られることが示されました。 |
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