廃棄物に関する調査研究

 

 廃棄物はその種類に応じて焼却や破砕、分別などの処理が行われ、最終処分場に埋め立てられたり、再資源化施設等で再生利用されたりしています。しかし、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムは、廃棄物を介し処理を行う廃棄物処理施設へ徐々に集まってきてしまう傾向にあります。そのため、放射性セシウムを含む廃棄物を安全かつ適正に処理していけるように、焼却処理や最終処分過程での放射性セシウムの挙動調査や適正管理技術の検討に資する研究を行っています。

 

調査研究の概要

 

粘土鉱物を活用した放射性セシウム難溶化試験


 焼却処理により発生する焼却灰は、主に主灰と飛灰にわけられますが、特に飛灰に含まれる放射性セシウムは、水との接触により溶出する可能性があります。そのため、溶出試験を行い、灰からの放射性セシウム溶出特性の把握や粘土鉱物を活用した難溶化技術の効果検証を行っています。
   調査研究の結果、主灰と比較して飛灰からの放射性Cs溶出率の方が高いことがわかっています。また、放射性Cs溶出抑制(難溶化)方法として、重量比5%から20%のゼオライトの混練が有効な安全対策の1つとなりえることも明らかにしています。
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実際の焼却処理施設での適応可能性の検討試験

 粘土鉱物を活用した難溶化技術の適応可能性をさらに評価していくため、実際の焼却施設で「ゼオライトと消石灰をプレミックスした薬剤の吹き込み試験」や「キレート混練機部での飛灰とゼオライト及びキレートとの同時混練試験」を行い、粘土鉱物を活用した実施設での焼却灰中放射性セシウムの難溶化効果の検証を行っています。
   調査研究の結果、室内での試験結果と同様に、放射性Csを難溶化でき、実施設にてゼオライトを活用した放射性Cs難溶化技術の適応は十分可能であることがわかっています。また、既存の環境基準も満たせることも確認しています。
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最終処分場における現地調査



   一般廃棄物最終処分場における水質の調査研究の結果、埋立処分場から浸出する放射性セシウム濃度は、公共用水域の放射性
セシウム濃度基準よりも低く、
また処分場ごとに放射性セシウムの浸出傾向が異なることがわかっています。
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